月刊アイソス 2016年3月号掲載

ISO9001(2015 年版)改正の
ポイント解説と統合マニュアル改定文例
      
第6回(最終回) 統合マニュアルの作成
 
         -パフォーマンス評価、改善、おわりに -
  
 
  
*  パフォーマンス評価
 このプロセスの主要な関連条項はISO/FDIS9001:2015「9 パフォーマンス評価」及びISO/FDIS14001 :2015「9 パフォーマンス評価」です。ISO9001 :2008 8章 監視及び測定 8.1項~8.4 項の条項の中で「プロセスの監視・測定」「製品の監視・測定」「不適合製品の管理」が「8 運用」に移管されています。
  
* 「9.1 監視、測定、分析及び評価」の変更点
 「 9.1.1 一般」では、組織は、パフォーマンス及び品質マネジメントシステムの有効性を評価するために何を監視及び測定するか決定することを求めています。「 9.1.3 分析及び評価」では、データの分析だけではなく、評価も行うことを求めています。分析及び評価の対象として次の事項が追加になっています。
 c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス(及び有効性)
 d) 計画が効果的に実施されたか否か
 e) リスク及び機会に取り組むためにとった処置の有効性
 f) 外部提供者のパフォーマンス
 g) 品質マネジメントシステムの改善の必要性
 
「9.2 内部監査」の変更点
  9.2.2 a)項で、監査プログラムは、「関連するプロセスの重要性」「前回までの監査結果」だけでなく「組織に影響を及ぼす変更」も考慮に入れて監査の頻度、方法等を計画しなければならないことが追加になっています。
 9.2.2 d)項で、内部監査の結果は監査され他領域の管理者だけでなく「関連する管理層に報告すること」に変更になりました。「9.2 内部監査」の条項の中に記載がありませんが、「5 リーダーシップ」で管理責任者という役割に関する言及が削除され、2008年版の管理責任者の役割の多くがトップマネジメントに移管されているので、内部監査ではトップマネジメントに対する監査も必要になります。
 2011年に「ISO19011 マネジメント監査の指針」が改定になり、この指針が内部監査の参照規格となっているので、ISO19011:2011(JISQ19011:2012)に従って手順を記載されるとよいでしょう。
 
「9.3 マネジメントレビュー」の変更点
 ISO/FDIS9001:2015「9.3 マネジメントレビュー」では、「組織の状況」「傾向を含む品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性」「資源の妥当性」「リスク及び機会」「改善の機会」などについて考慮し、今まで以上に戦略的なものになります。
 
 
*  改善
 このプロセスの主要な関連条項はISO/FDIS9001:2015「10 改善」及びISO/FDIS14001 :2015「10 改善」です。
 2015年版では、予防処置という用語はなくなり、「4.1 組織の状況」「6.1 リスク及び機会への取組み」「8.3.3 e) 製品及びサービスに起因する失敗の起こりえる結果の考慮」「6.5.1 g) ヒューマンエラーを防止する処置の実施」が2008年版の予防処置に該当します。
 改善には、是正処置、継続的改善(PDCAサイクル)、現状を打破する変更、革新及び組織変更が含まれますが、継続的である必要はありません。しかしISO/FDIS9001:2015「5 リーダーシップ」の中で、トップマネジメントは、プロセス、製品及びサービス、パフォーマンスの全般に渡って「改善を促進したこと」を実証することを要求しています。
 「10.2 不適合及び是正処置」では、「類似の不適合の有無、又はそれが発生することを見極めること」平たくいえば「是正処置の水平展開の必要性を評価すること」を要求しています。
 「10.3 継続的改善」では、マネジメントシステムの適切性、妥当性、有効性を継続的に改善すること」を要求しています。適切性とは、マネジメントシステムが組織及び当社の事業システムに合っていること、妥当性とはISO9001及びISO14001の要求事項を満たし十分なレベルであること、有効性とは望ましい成果を達成していることを言っています。
 組織は、継続的改善の一貫として取り組まなければならない分野又は機会があるかどうかを明確にするために、分析及び評価の結果、並びにマネジメントレビューのアウトプットを活用することが求められています。
 
 
*  おわりに
 6回にわたる連載にお付き合いいただきありがとうございました。
この連載では、株式会社ISOP工業という従業員数20名程度の会社を例として、2015年版への対応について紹介させていただきました。本誌の読者の皆さんの会社は業種も規模も組織形態も違っています。必ずしも、このような対応方法が良い訳ではありません。
 一つの事例として、参考にしていただければ幸いです。 
 
                  リ ン ク 
     
            ISO9001/14001 2015年版移行コンサルのご案内
  
(株)ISOP工業 統合(業務)マニュアル ダウンロード のページ
   
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