小規模建設業の省エネ対策

ここ2ヶ月間、10社近くの小規模建設業(建築・土木・造園)の方々のEA21環境経営システムを見せていただきました。
先のブログ「EA21の取り組みチェック表は自社用に工夫を!」でも紹介しましたが、これら建設業のどこの組織でも二酸化炭素の排出量の90%以上は、トラックや建設機械(重機)から発生している。

ところが、EA21の取り組みチェック表には、事務所の省エネ取り組みチェックは数多く記載されているが、トラック・重機に対しては「アイドリングストップなどの運転方法の配慮をしているか」という評価項目しかない。
事業者の方の活動計画も この1項目しか書いてない場面に出会った。

そこで、「もっと改善方策を書いた方がよいですよ、これだけでは目標が達成されるとは思いません」と言うと、「ではどうすればよいですか」と言う返事が返ってくる。

そこで、私が提案することを以下に紹介します。

(1)先ず第一に、「車やトラックに対しては燃費を把握しなさい」と言うことです。
以前私がお伺いした運送会社では、1台ごとに燃費を把握していた。また、安全性の観点からドライブレコーダーもつけておられた。
車両にドライブレコーダーを装着し走行状況を把握すると、事故の状況ばかりでなく、急ブレーキ、急ハンドルなどのドライバーの運転状態がわかるようになる。
ドライブレコーダーのデータを見せながら運転者を指導すると、「運転者はプライドをもっており、効果は絶大」、運転者による個人差があるため、平均すると10%強の燃費改善につながっているという話を聞いたことがある。

建設業では、ドライブレコーダーの装着までは必要ないが、燃費を把握して使用状況を運転者に見えるようにすることが第1歩だと思います。
重機も同じで、重機の場合は燃費の代わりに稼働時間当たりの燃料使用量を把握する。

(2)エコドライブの教育(勉強会)を行なう。
車についてのエコドライブについては下記のサイトでご覧下さい。
⇒ エコドライブ技術案内(車)
 以下はいすゞ自動車のホームページから
 運転テクニック
 ① アクセルペダルの踏み込みは控えめに行なう。
 ② グリーンゾーン内で、または、目標設定回転数でのシフトアップ
 ③ 充分な車間距離をとって急な減速や加速をしないようにする
 ④ 排気ブレーキは必要時のみ手動で入れる
 ⑤ 空いた道や平坦路はできるだけ高速段を活用する
 ⑥ 赤信号の減速・停止時は早めにアクセルペダルを離し、車の転がりを利用する
 ⑦ 降坂時は坂の勾配や積載量に合わせ、排気ブレーキ等を有効活用する
 ⑧ 最高巡航速度を設定する
 ⑨ 時間にゆとりを持ち、極力低い速度で走る
 ⑩ 無人状態でのアイドリングはやめる
 ⑪ 待ち時間等での冷房・暖房運転は極力避ける
 車両の保守点検
 ① タイヤの指定の空気圧を定期的に点検する。
 ② エアークリーナーのメンテナンス基準を守り、清掃又は交換を行う。
 ③ 季節ごとに適正なエンジンオイルに変える

また重機については、国土交通省より「省エネ運転マニュアル」が発行されています。
⇒ 省エネ運転マニュアル

(3)仕事内容に応じた適切な車両・重機を使用する

(4)車両の購入や重機をリースするときには、省エネ車を使用する。
 自動車の省エネ性能については下記のサイトで確認できます。
⇒ グリーン購入ネットワークデータベース自動車

(5)バイオ燃料が使用できないか検討する。
これは滋賀県や静岡県では盛んなようですが、地域によって困難かも知れません。
⇒ 静岡県トラック協会バイオ燃料プロジェクト
なお、先の話ですが大成建設が大阪府堺市で建設廃木材を使用したバイオエタノール工場を建設中です。(生産能力1400キロリットル、2,007年1月稼動予定)

(6)エコタイヤを使用する。
住友ゴムは2006年3月より、石油を使わない材料(70%)を使用したエコタイヤを発売した。燃費性能も転がり抵抗で従来品より30%改善されるそうです。
⇒ 石油外資源タイヤ「ENASAVE ES801」

(7)手直し工事を削減する。
手直し工事は無駄そのものです。これは品質と環境が重なり合う項目です。

まだ他にあるかも知れませんが、気のついた方コメントいただけたらありがたいです。

2006.06.05.13:49 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a エコアクション21で気づいたこと

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