はじめに

環境コンサルタント・EA21審査人として、日ごろの活動で気づいたことを紹介しています。
ここでは、最近の5件のブログを表示します。過去のブログを見るときは左のカテゴリーより入ってください。

エコアクション21ガイドライン改定 事業者向け説明会

 エコアクション21のガイドラインが2009年版に変更になり、石川県内認証取得の事業者様に対する説明会が27日に行われました。
私と井尾審査人が当日の講師を務めさせていただきました。
当日の参加者は、対象企業の1/3で28名でした。
当日の説明資料(中央事務局発行)を下記に掲載しましたので、参加できなかった方はご覧ください。
⇒ エコアクション21 ガイドライン改定のポイントとそれに伴う認証・登録制度における変更点

説明は2時間弱で、終了後個別相談会(無料)があり、私は2社から質問を受けました。参考までにその時のQ&Aを掲載します。

1社目は、従業員数12名の道路工事、舗装工事の施工を担当する企業の方です。

Q1:新しく「グリーン購入」が追加になり、製品やサービスのグリーン購買も追加になったが、購入資材の殆ど自治体から指定を受けており、自社で変更できる者は殆どない。どうしたらよいか。

A1:購入資材に対しては、自由度がなく該当するものが少ないかも知れません。しかし下請けに仕事を依頼している部分は、下請け先の調達基準を作って下請け先に環境配慮のインセンセィブを与えることも製品やサービスに対するグリーン購買になります。
例えば、
・下請けに対する環境配慮の評価基準を作って、評価点のよいところに優先的に発注する。
・エコアクション21やいしかわ事業者版環境ISOの取得を奨励する。
など

Q2:「自らが生産・販売・提供する成果品及びサービスに関する環境配慮」について、工事仕様は顧客の共通仕様、特別特別仕様等で定められており、自社で勝手に変更できる部分は殆どない。

A2:建設工事業の場合自社で変更できる部分は殆どないことについては、理解できます。この場合入札時点でVE提案をすると思いますが、その時に「省資源や購買する副資材や工事内容・成果物などについて環境配慮を行い提案する」と言うことが該当します。また、「やり直し工事を削減する」ということも、成果品及びサービスに関する環境配慮に相当します。


2社目は、従業員数35名の精密機械加工の企業の方です。

Q3:「自らが生産・販売・提供する製品及びサービスに関する環境配慮」について、当社は顧客から支給された加工図面に基づいて生産・納入しており「自らが生産・販売・提供する製品及びサービスに関する環境配慮」が見当たりません。

A3:これもQ2の質問と、ほぼ同じで、この場合、引き合いがあった時点で図面検討を行い、加工の容易化、軽量化・荷姿等の提案を行うことが「自らが生産・販売・提供する製品及びサービスに関する環境配慮」になります。
また、「製品不良を削減する」「外部から製品の環境負荷に関するデータの提供の依頼があった場合、協力する」「簡易包装や段ボールによる方法に変更する」というのも該当します。

Q4:生物多様性とは何をすればよいでしょうか。

A4:貴社の場合、製品のインプットは購入素材は鋼材・切削油・洗浄液・塗料ですから、原産地で生態系を損なっているのもを見つけるの難しいでしょう。
切削油・洗浄液・塗料含まれる有害化学物質を減らすというこが近隣地域の河川や用水路の水質を浄化し、生態系の保存に約立ちます。荷作り段階で木を使っているのであれば、南洋材(不法伐採の可能性が高い)やシベリヤ産の針葉樹(一度伐採すると復元ができない)を使用せず地元の間伐材を使う」というのも生物多様性保全の活動の一つです。
また、「製品不良を削減する」「地元の環境保全団体の里山保全活動に参加する」というのも生物多様性の保全につながります。

2010.07.28.15:57 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと

EA21審査人力量向上講習会を受講しました

 エコアクション21が、2004年版から2009年版に改訂されます。その概要は環境省の報道発表で紹介されています。
この改訂に伴い、5/21から6/6まで全国8ヶ所で審査人力量向上研修会が開催されているが、23日(日)は金沢の講習会に参加しました。

今回の改訂の主なポイントは以下のとおりです。

・対象範囲を「(段階的に取り組むにせよ最終的には)全組織・全取組」を対象とすること。
・必ず把握すべき環境負荷項目として、「化学物質使用量(化学物質を取り扱う事業者の場合)」が追加された。
・必ず環境目標を策定すべき項目として、次の3項目が追加された。
 「化学物質使用量の削減」・・・化学物質を取り扱う事業者の場合
 「グリーン購入」・・・事務用品だけでなく本業の製品やサービスを含む
 「自らが生産・販売・提供する製品及びサービスに関する環境配慮」
・環境活動レポートに記載すべき内容に、新たに、5点(組織概要、対象範囲、環境活動計画における次年度の取組内容、環境関連法規等の遵守状況の確認及び評価の結果、代表者による全体評価と見直し)が要求事項として追加された。

 力量向上研修会と言っているので2009年版の改定内容の説明かと思って参加したが、内容は、認証登録及び審査手続きの変更が主な内容でした。
殆どは審査人や地域事務局が知っておくべきことでしたが、以下のことは事業者のみなさんにも関係があるかも知れません。

・2009年版は、2010年6月1日地域事務局申込分より、業種別マニュアルは2011年4月1日地域事務局申込分より適用されます。但し、改定後の初回の審査のみですが、2009年度版で改定された箇所で不適合が出た場合は、要改善(次回審査までに是正すること)となります。
・認証登録の対処範囲は、原則として法人又は個人事業主となります。この点はISO14001よりも厳しいので注意が必要です。
・審査費用については審査日数のカウント方法を変更するという形で費用が引き下げられます。
・現地審査の判定が、現行3段階(A:適合、B:要改善、C:不適合)から、4段階(A:適合、B:指導事項、C:要改善、D:不適合)に変わります。

 研修会の席上聞いた話ですが、改正廃棄物処理法が5月12日に成立し、19日に公布された。
今回の改正では、努力規定ではあるが、特に問題が生じていなくても処理の状況の現場確認を求められているという点が追加になっている。
この点に関して、廃棄物処理業者が優良性評価を受けている場合は免除されるということが規定されるそうです。
また、特例措置として、優良性評価を受けた処理業者は許可の更新期間が延長される。

廃棄物処理業者が優良性評価を受ける条件の一つに「ISO14001またはエコアクション21の認証を受けていること」と言う項目があります。
ということは、エコアクション21の審査人が廃棄物処理事業者の審査をするときには、事業者に代わって現場確認をキチンと実施する必要がある。廃棄物処理業の審査を担当する審査人には、そのための審査人研修会も開催されるようです。

なお、改正廃棄物処理法の変更点は下記ページで公開されています。
 ⇒ 環境省平成22年5月19日トピックス

2010.05.15.09:32 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと

原因分析における「プロセスの要因」と「外乱」の区別

 2月25日、北陸経営品質フォーラムでMOT代表の中村先生より佐藤允一氏が提唱されている「SI法(構造的問題解決法)」の紹介を受けました。
SI法は、どちらかというと組織の問題や人財活性化に係る問題を解決する方法です。
私は問題解決法としてはこれまで、QCストーリー、プロセスアプローチ、KT法、アクションラーニングといった方法を習ってきましたが、SI法はこれらの方法と共通点は多くあるが、これまでファジーであった部分が構造的にハッキリ定義されている点がと特徴で参考になりました。
SI法の研修は3日間コースが標準だそうですが、2時間で概要だけを説明していだいたので十分理解したという訳ではありませんが、これまで習った問題解決法と比較して気の付いた点を、最近実施したEA21等のEMSの審査事例に絡めて説明します。

〔SI法で扱う問題とは〕
 問題とは、目標(あるべき姿)とのギャップである。
 この定義はQCストーリーの定義と同じであるが、SI法では更に問題の種類を3つに分けている。
● 発生型 見える問題 基準に対するいる逸脱
 これは、目標を設定して期中において達成度合いを確認したときに、あるべき姿との差でわかる。ISO9001や14001の監視・測定である。
QCでは、問題解決型QCストーリーに相当する。
● 探索型 探す問題 方法の改善
これは、現状の問題を否定するところから出発する。常日頃問題意識を持っていないとでてこない。
KT法ではPPA、QCでは課題達成型QCストーリーに相当する。
● 設定型 つくる問題 方法の改善
現状はうまくいっているが、将来は大丈夫であるか。将来の問題を設定し今解決する。
設定型問題というのは、他の問題解決法にはなかったように思います。

〔問題の構造化〕
 SI法では、問題解決に当たって問題を構造化して解決して行くのが特徴である。
Si_method_2         株式会社自己啓発協会のホームページより

図において
インプット(入力) ⇒ プロセス ⇒ アウトプット(結果)
ここの部分は、KT法やプロセスアプローチの説明と全く同じである。
結果に問題がある場合は、インプットに問題があるか、プロセスに問題があるか、である。SI法では、これに更に「制約条件」と「外乱」が加わる。
「制約条件」とは、インプット以前に存在している客観的事実で、問題発生の間接的原因となりうる。
「外乱」とは、インプット後の活動の途中でプロセス外部に不意に発生する不可抗力的障害である。
最近新聞を賑わしている地方飛行場建設の建設で、建設時に行った需要予測に対して実績が大幅に下回っている問題を例にとると、重要予測をするときに発注した国土交通省及び地方自治体が高い需要予測を期待していたことが「制約条件」であり、915事件やリーマンショックという予期せぬ事態が発生し、航空業界の全体需要が落ち込んだという点が「外乱」である。

SI法では、問題の原因を「インプット」「プロセス」「制約条件」「外乱」それぞれの区分し特定して解決していく。
「インプット」「プロセス」の原因は、自分達の権限の及ぶ事柄であり、自分たちで解決できる。戦術レベルの解決策となる。
「制約条件」「外乱」は、自分達の権限外であるが、上位職では権限内となる場合がある。そこで、権限を持つ人に提案するという形をとる。戦略レベルの解決策となる。

〔自分が気づいたこと〕
 ISO9001、ISO14001、EA21などのPDCAサイクルは、目標→科学的な仮説の設定→仮説の実施→結果の確認・評価→分析・アクション→知見の標準化という形をとる。ここでの確認・評価は「設定した仮説がうまく行ったか」「うまくいかなかったとするとインプット又はプロセスのどこに問題があったか」を確認することである。
しかし、実際の場では、例えば組織の文化、景気変動、気象条件などの「制約条件」「外乱」の方が大きいため、「プロセス」の原因ではなく、「外乱」を未達成の言い訳に使っているということである。
これは間違いであって、原因の分析では「インプット」「プロセス」と「制約条件」「外乱」に分けるべきである。
更に強いて言えば、達成状況に対するPDCAは「インプット」「プロセス」に対して行う、「制約条件」「外乱」の問題は長期的な経営戦略の問題として上司に提案することが望ましい。
この点に関し、自分が最近のEMS審査で経験した具体例を紹介します。
(事例の内容は、出所が分からないように修正してあります)
〔具体例1〕
ある小規模製造会社で環境マネジメントシステムを導入した。環境目標として、二酸化炭素排出量を基準年度に対して売上高当たり1%削減する目標を設定した。
1年後の結果:15%アップした。
原因分析:① リーマンショック後の減産で、固定費(冷暖房)の割合が増加したため。
② 売上げに計上されない新規格の製品を多量に製造したため。
<コメント>
ここに書かれ原因は、「外乱」を書いているに過ぎない。「プロセス」が計画した通りうまく行ったのかどうかの分析が入っていない。プロセスを評価するには、例えば高能率設備の稼働率のように二酸化炭素排出量の中で排出への寄与率が高く、かつ重点的に改善を実施する項目を絞り、その項目の達成状況を評価する指標を設定することが必要と思われる。

〔具体例2〕
ある公共土木事務所では民間に対する自治体の率先垂範としてEMSを構築し、環境目標として「二酸化炭素排出量」の目標を設定した。しかし、その目標値が控えめで2年間で1%となっている。
その理由として「当事務所は除雪等天候の影響を多大に受けるため」と説明されている。
<コメント>
これは、「プロセス」と「外乱」を混同している。
EMSの継続的改善(PDCA)とは、環境保全に向けた具体的な改善取組によって、目指した通りの改善目標が達成可能か、期中及び期末に確認し、未達成の場合は、その原因を調べて改善や目標設定の仕方を変更することにより経営効率の向上を目指すものです。目標に対する結果は「プロセスの結果」と「外乱」に分けて考え、「プロセスの結果」が目標数値を達成していれば、「外乱」によって総量が未達成であっても、取組は有効であったという評価になる。
また「プロセスの結果」を評価するためには二酸化炭素排出量の総量だけを観ていても分かりません。努力度合いを評価する指標が必要となります。
例えば、事務所の購入電力については「対前年同月比の電力使用量」、車燃料については「車ごとの燃費」を把握することにより確認・評価することができます。

2010.03.13.09:28 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと

「エコアクション21全国交流大会in静岡」に参加して

1002rimg0056 2月6日(土)・7日(日)静岡コンベンションセンターで開催された「第4回エコアクション21全国交流大会」に参加しました。
主催者側の発表によると、当日の参加者はエコアクション21審査人、地域事務局、事業者合わせて約700名とのことでした。大会を盛り上げていただきました静岡県の関係者の方々、どうもありがとうございました。
 エコアクション21は、2004年11月に認証登録制度は発足し今年で5年目になる。認証登録件数も今年末には5,000件に達すると予測されている。発足当初は、環境パフォーマンスとしてCO2排出量、廃棄物、水を必須取組項目とする環境マネジメントシステム(EMS)として出発したが、5年も経つと先行する事業者では、お金をかけてやれる紙・ごみ・電気・水といった取組項目の改善はやりつくし、更に活動を継続してするためには制度の変更が必要な状況になってきていた。このような状況を踏まえて今年6月1日より新しいガイドライン2009版が発行になる。2009年版では環境パフォーマンスとして、本業(製品・サービス)の環境への取組、化学物質が必須となり、生物多様性についても推奨事項として追加になった他、要求条項の記述方法の見直しや追加があった。
この交流大会も、前回までとは少し違って「本業の取組を如何に支援したらよいか」という内容が多かったように感じました。
 認証登録件数5,000件と言っても、80万と言われる日本全体の中小企業全体に占める割合は0.6%に過ぎない。中央事務局の後藤参与が行っておられたが、地球温暖化防止や資源の枯渇などの喫緊の課題に対応するには日本の半数位の事業者に何らかの形でEMSに参画してもらう必要がある。エコアクション21としては、登録事業者が現在の20倍位まで増えないと政策的には実質効果がない。
 そのような意味から、今回の研修では「自治体との連携によるエコアクション21の普及」というプログラムが組み込まれたものと思います。静岡県の成功事例の紹介は良かったとは思いますが、地域により事情が異なり、地域ごとの特性に合わせなければ成功しないと思います。というのは私の地元石川県では、2008年より“いしかわ事業者版環境ISO”という制度が発足し、費用が安く(1万円)、取組が簡単(CO2排出量・廃棄物・水だけ、環境法規制は対象外)であることと、石川県知事を筆頭とする県当局の強力な推進により発足2年間で300件、今年度中には500件に達する見込みです。エコアクション21は影が薄く、逆にエコアクション21から“いしかわ事業者版環境ISO”に乗り換える事業者も散見される状況です。
しかし、いしかわ事業者版環境ISO”は、本業には踏み込んでいないので、数年して紙・ごみ・電気のようなすぐにやれる改善をやりつくすと行き詰まりをきたすことが予測されます。
一方、エコアクション21は、本業への取組みによる環境経営の推進による経営効率の向上という方法に舵を切り替えたことにより、そのような問題は回避されると予測されるが、こことが、これから取り組もうとする中小企業にとってより敷居がより高くなったと感じてはじめから諦める事業者が出てくる可能性がある。この点について研修では「審査人が適切の状況を判断して、状況に合った指導をしなさい」というニュアンスであったが、これはかなり高度なスキルであり、現場を見ていない判定委員会や中央事務局の理解度も考慮すると機能するとは思えない。
 これは個人的な提案ですが、いしかわ事業者版環境ISO・南信州いいむす21・板橋エコアクション・めぐろグリーンエコアクションプログラム・水俣エコショップ認定のような導入版と、エコアクション21:2009のような本格版をシリーズ化して、事業者が段階的に活動内容をレベルアップし、持続的な改善活動が進むようにしていただくことがよいと思います。
そのためには、中央事務局と自治体当局間の協業や、国のチャレンジ25の政策の中で取り上げていただくことを望むものです。

交流大会当日のスケジュール及び自分自身が気づいた概要を以下に紹介します。

■ 2月6日午後~7日午前

「行政との連携によるエコアクション21の推進」
 静岡県のEA21認証登録件数は2009年末で540件と全国でトップである。これは行政の率先垂範とグリーン化プログラム(グループごとの無料共同コンサル)等による支援が利いている。西原茂樹・牧之原市長、北村正平・藤枝市長、望月良和・伊豆の国市長を交えてパネル討論会が行われた。
 中でも西原市長は、「環境対策を進めれば、企業はコストダウンを図れるし、行政は無駄を削ることができる。『環境対策はもうかる』という意識の浸透が制度普及につながる」と力説さ、更に温室効果ガス25%削減するには国がEMS構築事業者に対する支援する政策が必要とも発言された。
さすが先進地域のですね。

「EA21ガイドライン改定2009年版」
 EA21中央事務局 森下事務局長より改定の背景と概要についての解説があった。詳細については4月~5月に開催される「審査人力量向上研修会」への参加が義務付けられており、その後でないと内容を解説することができない。

「審査人力量向上研修」
 審査のポイント、法規制、アドバイスの仕方などの講義や事業者へのアンケート結果の紹介がありました。

■ 2月7日午後

記念講演「環境経営の原点に立ち返って」 静岡大学 大橋教授
 学者であると同時に静岡県のEA21の判定委員の経験から、現在の取組まれているエコアクション21EMSの問題点とあるべき姿を解説していただいた。
幾つか解説していただいた中に「PDCAサイクル(デミングサイクル)とは、目標を設定し科学的な仮説を設定して、実施してみる。この結果から、原因を分析して、どこに改善が必要で、それをどのように取り組んでいくかを知り、次の計画に織り込むことである。これまでの経験では、データをとって達成したかどうか○×を付け、×の言い訳をしている事例が多いがこのようなことではない」とのご指摘がありました。
このご指摘は全く同感です。ISOの用語でいえば、これが「有効性の改善」と言うことでしょう。

記念講演「富士山の自然環境と生物多様性」 富士常葉大学 山田教授
 この講話は大変面白かった。富士山にかかる雲は樹海を創る。樹海には海や川にいる生物が上がってくる。中でも樹海の中で展開されるヒメ蛍の光景は神秘的らしい。
ヒメ蛍は2年間樹海の中で幼虫として暮らし、成虫となって夏に地上に夜中の11時頃から一斉に点滅する。明け方になって雄と雌の点滅が同期したときが恋の成立、子孫を残して2日間で死んでしまうそうです。これに比べると人間の老後とは一体何なのか考えさせられました。

2010.02.08.13:44 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと

サービス業における持続的な環境経営の進め方

 私はこれまでサービス業のエコアクション21の審査を数件担当させてもらっている。取組始めは節電、紙の使用量削減、水の使用量削減といった取組から入るが数年するとやることがなくなって段々と行き詰ってくる。一般的な進め方では、その次は環境商品・サービスの販売といった本業の環境への取り組みに重点を置くことになるが、中小企業の場合、建設コンサル業のように顧客が仕様を指示し自由裁量の余地が無い、運送業のように下請けのため自由裁量の余地が無い、といったケースが多く、よい手だてが見当たらない。
 製造業の場合は生産効率の向上が省エネ、廃棄物の低減となり、ある意味で永久的なテーマとなるが、サービス業ではこれに相当するものが無いだろうかと思っていたところ”メルマガEnviro-News”のイベント紹介で横浜市経済環境局が開催する省エネ経営支援セミナー「かたづけ・2S-エコなオフィスの作り方」という無料セミナーが目に飛びこんできた。
2S(5S)と省エネがどうして結びつくのだろうか?
開催日は2月5日午後で、丁度静岡で開催されるエコアクション21全国交流大会の前日なので参加申し込みをするとOKの返事がきた。5日の日は1日先に出発、横浜市の中小企業の皆さんと一緒にセミナーに参加させてもらいました。
 結論から言うと、書類で一杯になった事務所、例えば設計事務所のようなところでは5Sをうまく進めることにより事務作業の効率化ができ、更にスペースを削減することで省エネにもなる。販売業ではお客さに発行している定期刊行物に環境情報を織り込むことによりブランド力をアップすることができる。
また、これはどのような業種にも言えることだが社員の自主性を引き出し“やらされ感”を持たせないことが永続的な活動の秘訣となる。そのためには会社の理念の浸透と、“エコモチ”“エキャップ”のような仕組みを活用して社内で各人がエコに取組むことが社会貢献に目に見えるようにすることが有効であるということです。
以下はその内容です。

 会場は関内の横浜メディア・ビジネスセンター7階、当日の参加者は100名程度でした。
講演は
1.中小企業が環境で経営を伸ばすツボ
  フルハシ環境総合研究所 社長 舟橋康貴氏
2.整理整頓が生み出す経営資源
  スッキリラボ かたづけ士 小松易氏
3.2Sオフィスのビフォア・アフター~ダンボール150箱分を廃棄!
  国際環境ソリューションズ(株) 立野久美氏
4.やる気が大事!社員みんなでCO2削減
  (株)丸和印刷 社長 鳥原久資氏
の4件でした。


1番目の舟橋氏の話は、環境問題と環境経営に対する一般的な解説でしたが、中小企業が環境経営を進めるに当たって注意点を以下のように話されていました。
・環境経営はビジネスにとって有効な手段であるが、ストーリーが明確でないとお客さんに価値を与えられず成功しない。また、社員に対してなぜ環境に取り組むかを明確にすることが必要である。
・社員の自発的な活動でなければならない。やらせるのではなく、自ら気付くことが必要である。
・中小企業では、いろいろやっているが、やっていることをお客さんにキチンと伝えることが苦手のようである。キチンと伝えることが必要である。地域のネットワーク、外部の専門家の活用、他社との交流といったネットワークを築くことが必要である。


2番目の小松氏の話
 人は寝ている時間を除くと、1日の9割を「探す」ことに使っている。この時間を減らすことにより作業効率が上がる。
「かたづけ」とはABCである。
A・・・当たり前のことを
B・・・バカにせず
C・・・ちゃんとやる

D・・・これが出来る社員、出来る人を育成することである。
かたずけのポイントは「一度全部外に出して評価すること」である。
     外に出す
    /    \
   しまう   分ける
    \    /
      減らす
この習慣づけを行うことである。
では具体的にどのようにやったらよいかという説明があった。


3番目の立野久美氏の発表は、その具体的事例である。
 国際環境ソリューションズでは2006年より2S→3S→4S→5Sと段階的に5Sを導入してきたが、その過程でダンボール150箱分を廃棄し、スペースを空けてフロアを縮小した。その結果フロアリース料の削減と電気使用量が33%削減できた。
ここにきて、5Sと省エネのつながりが納得できた。事務所の5Sは、ここまでやらねばダメですね。
立野氏は5Sの定着と成功のポイントを次のように紹介されていた。
・組織のトップのバックアップがあったこと。
・取組開始前に2Sの実施目的や期待される効果を明確にし、社員に説明したこと
・ルールはシンプルで守りやすくしたこと。
 定期的に説明会やアンケートをとり、守れる内容かどうかを確認しながら進めた。
・やらされ感をもたせないこと。
 アンケートの意見・要望をできるだけ迅速に反映した。また、途中でワークセッションも開催した。
・ 共有資料の管理担当は輪番制とし、5S活動への全員参加の意識を持たせたこと。


4番目は社長自らの発表でした。
 丸和印刷は30人という小さな会社であるが2002年にISO14001を取得した。その後、活動の継続性に苦心してきた。8年経過してきて現在は、プリントーク、エコプリンと名づけた2つの外部に対する環境教育情報、CSRレポートの発信の3つを柱としている。また、「社員一人一人の参加が出来る活動」ということにこだわっている。

・エコモチ
 エコモチとは「エコ・モチベーション」の略で、フルハシ環境総合研究所が事務局をしている会員組織活動です。従業員が省エネなど環境に配慮した行動をとり、それを「エコモチ」Web サイトで申告すると、「ポイント」がもらえる。溜まったポイントをNPO団体に寄付し社会貢献をするしくみです。鳥原社長は「これはお勧めです」と推奨されていました。

・エコキャップ
 NPO法人エコキャップ推進協会が運営する活動で、ペットボトルのキャップを一定数集めて(ペットボトルはリサイクルして)、恵まれない子にポリオワクチンを送る。

・エコバッグ
 印刷業を生かしてエコバックをつくりお客様に配る。
これらはみんな社員の発案だそうです。

社長の言葉の中で印象に残ったこと
 「環境経営は企業のコストダウンにつながる。しかし、コストダウンを強調すると社員の参画意識が落ち、モラルが下がる。これに社会貢献を組み込むことによって社員一人ひとりのモチベーションが上がる」
ここが永続きのポイントということでしょう。

2010.02.05.13:40 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと