はじめに

環境コンサルタント・EA21審査人として、日ごろの活動で気づいたことを紹介しています。
ここでは、最近の5件のブログを表示します。過去のブログを見るときは左のカテゴリーより入ってください。

総量目標と原単位目標

 ISO14001やエコアクション21で環境目標を設定するとき、総量と原単位のどちらで目標を設定すべきか。
地球温暖化防止を考えると総量目標であり、環境省はそのような指導をしている。
一方、経済産業省は省エネ活動を推進する立場から、原単位目標で目標設定するよう指導している。
私はエコアクション21の審査人をしている関係上、小企業にお伺いする機会が多いのですが、環境目標(年度目標)を総量で設定したため、実際の発生量は仕事量の変動で振れて目標達成見込みの評価(測定)ができないという事例をよく見かける。
それでは、売上高当たりで評価したらよいかというとそれも適切ではない。
製造業の例で言うと、照明電力や冷暖房電力は就業時間や人員に比例する、固定費に近い。一方、機械動力は生産量に比例する変動費である。
実績値は、固定費部分からの排出と変動部部分からの排出が合計されて排出されるので、どちらでやって外乱要因が入ってきてうまく評価できず、PDCAが回らない。
このような場合は、固定部分と変動部分を分けて負荷データをとり、固定部分は総量、変動分は原単位とすることが望ましい。

 エコアクション21ガイドライン2009「別表1 環境への負荷の自己チェックシートの使い方等について」には以下のように記載されている。
--------------------<ここから引用> -------------------------
 事業者は、環境負荷の総量を削減することが求められていますが、一方、事業経営の観点から、経済効率性の高い環境への取組も求められています。そのため、事業者の環境への取組結果等を把握・評価する場合は、環境負荷の総量を示す指標だけでなく、経済価値を反映しながらその環境への取組の効率性を表す「環境効率指標」を把握・管理することが重要になります。代表的な環境効率指標には次のようなものが考えられます。
環境効率指標の設定については、事業の特性に応じて、適切なものを選んでください。

 二酸化炭素排出量(トン)            二酸化炭素排出量(トン)
――――――――――――    又は   ――――――――――――
 生産高 もしくは 売上高 (円)          付加価値(円)

 廃棄物排出量(トン)
――――――――――――
 付加価値 (円)
  (注)付加価値の値としては、「売上高-原材料費等(外部からの購入費用)」もしくは、「営業利益+人件費+減価償却費」等を用いることができます。

--------------------<引用終わり> -------------------------

上記の記載は、大変分かりにくい表現で「いったいどうすればよいのだ」という感覚になってしまう。
この件について自分は、以下のやり方が正しいと思っており、審査の際はそのようにアドバイスしています。

---------------------------------------------------------------------
 二酸化炭素排出量・廃棄物排出量・水使用量・農薬使用量についての中期目標(3年間or5年間)は、総量目標であるべきです。
しかし、短期目標(年度目標)を総量で設定すると、総量は仕事量や移動距離、季節要因で変動するため取組評価ができない。中期目標は総量、年度目標は原単位で設定されることが現実的と思います。
なお、総量目標と原単位目標の関係は以下のようになります。
        排出量
原単位=――――――――――――
       排出量と密接な関係を持つ値
総量中期目標=原単位目標の3年間又は5年間累計
               ×排出量と密接な関係を持つ値の中期的な増減率の計画値
------------------------------------------------------------------------

 排出量と密接な関係を持つ値については、省エネ法の関連で、省エネルギーセンターの「定期報告書記入要領 別添資料(2)(3)」に原単位の設定例が掲載されている。
このページの下に幾つかを紹介します。しかし、このように設定しても改善活動を適切に評価できるかどうかは分かりません。
ある絹・人絹織物機械染色業にお伺いした時、織反(㎡)当たりを原単位としているが、顧客からの織物の密度を上げる要望が強くなり、織反(㎡)だけでは評価できないので(㎡×密度)当たりを原単位としていると話されていた。

どうしても、このような適切な単位が見いだせないときは、総量で設定しておいて、監視・測定の段階で、改善プロセス単位で指標を設定するという方法もあります。
この内容については先のブロク「プロセスの有効性指標、KPI、OPIの共通性」を参照下さい。
 
省エネルギーセンター「定期報告書記入要領 別添資料(2)(3)」に原単位の設定例」
工場等
 ・非鉄金属鉱業      トン
 ・絹・人絹織物機械染色業/毛織物機械染色整理業  ㎡
 ・綿状繊維・糸染色整理業/ニット・レース染色整理業  kg
 ・合板製造業       ㎡
 ・サッシ業          トン
 ・石綿スレート製造業   枚
 ・非鉄金属製造業     トン
 ・一般機械器具製造業/電気機械器具製造業  生産金額(円)
 ・自動車・同付属品製造業              生産金額(円)
 ・鉄道車両製造業等   両又は個
 ・造船業          トン使用鋼材重量

業務用ビル
 下記のエネルギー使用量と関係を持つ項目を参考として設定する
 ・事務所ビル
    延床面積(㎡)/空調面積(㎡)/貸室面積(㎡)/入居率(%)
    在室人数(人)/就業時間(時間)/空調必要時間(時間)/売上高(円)
 ・病院
    延床面積(㎡)/部門別面積(㎡)/入院ベッド数(床)
    従業員数(人)/外来患者数(人)/入院患者数(人)
    病室稼働率(%)/利用時間(時間)/売上高(円)
 

2010.12.09.23:08 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと

第5回 EA21全国交流研修大会in群馬

 10月16日、17日、高崎市で開催された第5回EA21全国交流研修大会in群馬に参加しました。主催者側の発表では参加者数は約440名とのことです。
 今回の大会は、講演ではなく、4つの会場に分かれてディスカッションを行い、最に全体会場で分科会のまとめを発表し、成果を全員でシェアするという形式で行われた。
 ディスカッションの内容は、この程改定されたEA21環境経営システムガイドライン2009への対応問うことが主で、認証登録範囲の捉え方、審査計画書や現地審査チェックリストの書き方、環境活動レポートの書き方や活用の仕方といった、まぎらわしいケース、グレーゾーンに対する判断に関するものが多かった。

 エコアクション21認証・登録制度は、発足してから今年で6年目を迎え、10月15日現在5,500の事業者の認証登録をするまでに成長した。この過程で様々な課題が生じ、平成21年8月より「中央事務局のあり方検討会」「地域事務局のあり方検討会」が設置さら在り方の審議が行われてきた。大会の中では、その審議結果の報告も行われた。
報告書の中では、中央事務局・地域事務局・審査人の役割の見直し、審査人の力量評価と審査人選定の透明性・公平性に関する制度改革の提言がされている。具体的な内容は来年2月に決定され、パブリックコメントを経て、3年程度を目途に新体制に移行するとのことであった。

 ところで、今回の大会では、私は廃棄物処理業の分科会に参加しました。そこで、気づいたことは、審査人の力量についての核心部分です。
廃棄物処理業といっても、収集運搬業、中間処理業、最終処分業、リサイクル・資源回収業など色々ある。
今後更にEA21に取組む事業者が増えていくためには、取り組んだ事業者の経営が良くなり、更に環境も保全される内容であることが必要である。
環境保全というと、最初に地球温暖化の防止が出てくるが、これから徐々に顕在化する環境問題には、資源の消費、生物多様性の喪失や化学物質といった問題がある。
事業者が、これらの改善しようと取組むと、それぞれのテーマがトレードオフの関係になる場合もある。この際にEA21のガイドラインが要求しているかといって一律に改善することを求めてはならないということである。
事業者にとって経営課題、特に利益の根源になっている事項は何かをよく考え、環境への取り組みが、利益向上につながる項目を取組のコアとすることが重要である。
廃棄物処理業にとって共通的に重要である法規制リスクへの対応という点を別にして考えると、例えば
収集運搬業では、燃料使用量の削減、これは二酸化炭素排出量の削減となる。
中間処理業では、エネルギー使用量の削減、これは二酸化炭素排出量の削減となる。また、リサイクル率の向上は、顧客の評価や廃棄物処理場の問題解決に寄与する。
リサイクル・資源回収業では、破砕・分別回収の徹底が、事業機会の拡大と資源の有効利用に資することになる。
このように、同じ業種であっても職種によって、コアとなる取組項目が違ってくる。
審査人は、その点をよくわきまえて、適切なアドバイスをすることが必要であり、このことが、審査人の力量の一つの重要な条件ではないかと思いました。

 研修大会の概要は以上のようですが、私自身が今回参加した動機は、来年11月金沢において第6回の全国交流研修大会が予定されている。今度は、そのホスト役となるので、今回の群馬大会の進め方がどの程度有効であるかを確認することである。このような多人数でのディスカッションが、うまく機能するのか興味を持って見ていたが、群馬県のEA21審査人が、事前によく準備や工夫をされ、大会は成功であったように思いました。進め方そのものについても、幾つか参考になる点がありました。どうもありがとうございました。

2010.10.19.13:18 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと

エコアクション21ガイドライン改定 事業者向け説明会

 エコアクション21のガイドラインが2009年版に変更になり、石川県内認証取得の事業者様に対する説明会が27日に行われました。
私と井尾審査人が当日の講師を務めさせていただきました。
当日の参加者は、対象企業の1/3で28名でした。
当日の説明資料(中央事務局発行)を下記に掲載しましたので、参加できなかった方はご覧ください。
⇒ エコアクション21 ガイドライン改定のポイントとそれに伴う認証・登録制度における変更点

説明は2時間弱で、終了後個別相談会(無料)があり、私は2社から質問を受けました。参考までにその時のQ&Aを掲載します。

1社目は、従業員数12名の道路工事、舗装工事の施工を担当する企業の方です。

Q1:新しく「グリーン購入」が追加になり、製品やサービスのグリーン購買も追加になったが、購入資材の殆ど自治体から指定を受けており、自社で変更できる者は殆どない。どうしたらよいか。

A1:購入資材に対しては、自由度がなく該当するものが少ないかも知れません。しかし下請けに仕事を依頼している部分は、下請け先の調達基準を作って下請け先に環境配慮のインセンセィブを与えることも製品やサービスに対するグリーン購買になります。
例えば、
・下請けに対する環境配慮の評価基準を作って、評価点のよいところに優先的に発注する。
・エコアクション21やいしかわ事業者版環境ISOの取得を奨励する。
など

Q2:「自らが生産・販売・提供する成果品及びサービスに関する環境配慮」について、工事仕様は顧客の共通仕様、特別特別仕様等で定められており、自社で勝手に変更できる部分は殆どない。

A2:建設工事業の場合自社で変更できる部分は殆どないことについては、理解できます。この場合入札時点でVE提案をすると思いますが、その時に「省資源や購買する副資材や工事内容・成果物などについて環境配慮を行い提案する」と言うことが該当します。また、「やり直し工事を削減する」ということも、成果品及びサービスに関する環境配慮に相当します。


2社目は、従業員数35名の精密機械加工の企業の方です。

Q3:「自らが生産・販売・提供する製品及びサービスに関する環境配慮」について、当社は顧客から支給された加工図面に基づいて生産・納入しており「自らが生産・販売・提供する製品及びサービスに関する環境配慮」が見当たりません。

A3:これもQ2の質問と、ほぼ同じで、この場合、引き合いがあった時点で図面検討を行い、加工の容易化、軽量化・荷姿等の提案を行うことが「自らが生産・販売・提供する製品及びサービスに関する環境配慮」になります。
また、「製品不良を削減する」「外部から製品の環境負荷に関するデータの提供の依頼があった場合、協力する」「簡易包装や段ボールによる方法に変更する」というのも該当します。

Q4:生物多様性とは何をすればよいでしょうか。

A4:貴社の場合、製品のインプットは購入素材は鋼材・切削油・洗浄液・塗料ですから、原産地で生態系を損なっているのもを見つけるの難しいでしょう。
切削油・洗浄液・塗料含まれる有害化学物質を減らすというこが近隣地域の河川や用水路の水質を浄化し、生態系の保存に約立ちます。荷作り段階で木を使っているのであれば、南洋材(不法伐採の可能性が高い)やシベリヤ産の針葉樹(一度伐採すると復元ができない)を使用せず地元の間伐材を使う」というのも生物多様性保全の活動の一つです。
また、「製品不良を削減する」「地元の環境保全団体の里山保全活動に参加する」というのも生物多様性の保全につながります。

2010.07.28.15:57 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと

EA21審査人力量向上講習会を受講しました

 エコアクション21が、2004年版から2009年版に改訂されます。その概要は環境省の報道発表で紹介されています。
この改訂に伴い、5/21から6/6まで全国8ヶ所で審査人力量向上研修会が開催されているが、23日(日)は金沢の講習会に参加しました。

今回の改訂の主なポイントは以下のとおりです。

・対象範囲を「(段階的に取り組むにせよ最終的には)全組織・全取組」を対象とすること。
・必ず把握すべき環境負荷項目として、「化学物質使用量(化学物質を取り扱う事業者の場合)」が追加された。
・必ず環境目標を策定すべき項目として、次の3項目が追加された。
 「化学物質使用量の削減」・・・化学物質を取り扱う事業者の場合
 「グリーン購入」・・・事務用品だけでなく本業の製品やサービスを含む
 「自らが生産・販売・提供する製品及びサービスに関する環境配慮」
・環境活動レポートに記載すべき内容に、新たに、5点(組織概要、対象範囲、環境活動計画における次年度の取組内容、環境関連法規等の遵守状況の確認及び評価の結果、代表者による全体評価と見直し)が要求事項として追加された。

 力量向上研修会と言っているので2009年版の改定内容の説明かと思って参加したが、内容は、認証登録及び審査手続きの変更が主な内容でした。
殆どは審査人や地域事務局が知っておくべきことでしたが、以下のことは事業者のみなさんにも関係があるかも知れません。

・2009年版は、2010年6月1日地域事務局申込分より、業種別マニュアルは2011年4月1日地域事務局申込分より適用されます。但し、改定後の初回の審査のみですが、2009年度版で改定された箇所で不適合が出た場合は、要改善(次回審査までに是正すること)となります。
・認証登録の対処範囲は、原則として法人又は個人事業主となります。この点はISO14001よりも厳しいので注意が必要です。
・審査費用については審査日数のカウント方法を変更するという形で費用が引き下げられます。
・現地審査の判定が、現行3段階(A:適合、B:要改善、C:不適合)から、4段階(A:適合、B:指導事項、C:要改善、D:不適合)に変わります。

 研修会の席上聞いた話ですが、改正廃棄物処理法が5月12日に成立し、19日に公布された。
今回の改正では、努力規定ではあるが、特に問題が生じていなくても処理の状況の現場確認を求められているという点が追加になっている。
この点に関して、廃棄物処理業者が優良性評価を受けている場合は免除されるということが規定されるそうです。
また、特例措置として、優良性評価を受けた処理業者は許可の更新期間が延長される。

廃棄物処理業者が優良性評価を受ける条件の一つに「ISO14001またはエコアクション21の認証を受けていること」と言う項目があります。
ということは、エコアクション21の審査人が廃棄物処理事業者の審査をするときには、事業者に代わって現場確認をキチンと実施する必要がある。廃棄物処理業の審査を担当する審査人には、そのための審査人研修会も開催されるようです。

なお、改正廃棄物処理法の変更点は下記ページで公開されています。
 ⇒ 環境省平成22年5月19日トピックス

2010.05.15.09:32 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと

原因分析における「プロセスの要因」と「外乱」の区別

 2月25日、北陸経営品質フォーラムでMOT代表の中村先生より佐藤允一氏が提唱されている「SI法(構造的問題解決法)」の紹介を受けました。
SI法は、どちらかというと組織の問題や人財活性化に係る問題を解決する方法です。
私は問題解決法としてはこれまで、QCストーリー、プロセスアプローチ、KT法、アクションラーニングといった方法を習ってきましたが、SI法はこれらの方法と共通点は多くあるが、これまでファジーであった部分が構造的にハッキリ定義されている点がと特徴で参考になりました。
SI法の研修は3日間コースが標準だそうですが、2時間で概要だけを説明していだいたので十分理解したという訳ではありませんが、これまで習った問題解決法と比較して気の付いた点を、最近実施したEA21等のEMSの審査事例に絡めて説明します。

〔SI法で扱う問題とは〕
 問題とは、目標(あるべき姿)とのギャップである。
 この定義はQCストーリーの定義と同じであるが、SI法では更に問題の種類を3つに分けている。
● 発生型 見える問題 基準に対するいる逸脱
 これは、目標を設定して期中において達成度合いを確認したときに、あるべき姿との差でわかる。ISO9001や14001の監視・測定である。
QCでは、問題解決型QCストーリーに相当する。
● 探索型 探す問題 方法の改善
これは、現状の問題を否定するところから出発する。常日頃問題意識を持っていないとでてこない。
KT法ではPPA、QCでは課題達成型QCストーリーに相当する。
● 設定型 つくる問題 方法の改善
現状はうまくいっているが、将来は大丈夫であるか。将来の問題を設定し今解決する。
設定型問題というのは、他の問題解決法にはなかったように思います。

〔問題の構造化〕
 SI法では、問題解決に当たって問題を構造化して解決して行くのが特徴である。
Si_method_2         株式会社自己啓発協会のホームページより

図において
インプット(入力) ⇒ プロセス ⇒ アウトプット(結果)
ここの部分は、KT法やプロセスアプローチの説明と全く同じである。
結果に問題がある場合は、インプットに問題があるか、プロセスに問題があるか、である。SI法では、これに更に「制約条件」と「外乱」が加わる。
「制約条件」とは、インプット以前に存在している客観的事実で、問題発生の間接的原因となりうる。
「外乱」とは、インプット後の活動の途中でプロセス外部に不意に発生する不可抗力的障害である。
最近新聞を賑わしている地方飛行場建設の建設で、建設時に行った需要予測に対して実績が大幅に下回っている問題を例にとると、重要予測をするときに発注した国土交通省及び地方自治体が高い需要予測を期待していたことが「制約条件」であり、915事件やリーマンショックという予期せぬ事態が発生し、航空業界の全体需要が落ち込んだという点が「外乱」である。

SI法では、問題の原因を「インプット」「プロセス」「制約条件」「外乱」それぞれの区分し特定して解決していく。
「インプット」「プロセス」の原因は、自分達の権限の及ぶ事柄であり、自分たちで解決できる。戦術レベルの解決策となる。
「制約条件」「外乱」は、自分達の権限外であるが、上位職では権限内となる場合がある。そこで、権限を持つ人に提案するという形をとる。戦略レベルの解決策となる。

〔自分が気づいたこと〕
 ISO9001、ISO14001、EA21などのPDCAサイクルは、目標→科学的な仮説の設定→仮説の実施→結果の確認・評価→分析・アクション→知見の標準化という形をとる。ここでの確認・評価は「設定した仮説がうまく行ったか」「うまくいかなかったとするとインプット又はプロセスのどこに問題があったか」を確認することである。
しかし、実際の場では、例えば組織の文化、景気変動、気象条件などの「制約条件」「外乱」の方が大きいため、「プロセス」の原因ではなく、「外乱」を未達成の言い訳に使っているということである。
これは間違いであって、原因の分析では「インプット」「プロセス」と「制約条件」「外乱」に分けるべきである。
更に強いて言えば、達成状況に対するPDCAは「インプット」「プロセス」に対して行う、「制約条件」「外乱」の問題は長期的な経営戦略の問題として上司に提案することが望ましい。
この点に関し、自分が最近のEMS審査で経験した具体例を紹介します。
(事例の内容は、出所が分からないように修正してあります)
〔具体例1〕
ある小規模製造会社で環境マネジメントシステムを導入した。環境目標として、二酸化炭素排出量を基準年度に対して売上高当たり1%削減する目標を設定した。
1年後の結果:15%アップした。
原因分析:① リーマンショック後の減産で、固定費(冷暖房)の割合が増加したため。
② 売上げに計上されない新規格の製品を多量に製造したため。
<コメント>
ここに書かれ原因は、「外乱」を書いているに過ぎない。「プロセス」が計画した通りうまく行ったのかどうかの分析が入っていない。プロセスを評価するには、例えば高能率設備の稼働率のように二酸化炭素排出量の中で排出への寄与率が高く、かつ重点的に改善を実施する項目を絞り、その項目の達成状況を評価する指標を設定することが必要と思われる。

〔具体例2〕
ある公共土木事務所では民間に対する自治体の率先垂範としてEMSを構築し、環境目標として「二酸化炭素排出量」の目標を設定した。しかし、その目標値が控えめで2年間で1%となっている。
その理由として「当事務所は除雪等天候の影響を多大に受けるため」と説明されている。
<コメント>
これは、「プロセス」と「外乱」を混同している。
EMSの継続的改善(PDCA)とは、環境保全に向けた具体的な改善取組によって、目指した通りの改善目標が達成可能か、期中及び期末に確認し、未達成の場合は、その原因を調べて改善や目標設定の仕方を変更することにより経営効率の向上を目指すものです。目標に対する結果は「プロセスの結果」と「外乱」に分けて考え、「プロセスの結果」が目標数値を達成していれば、「外乱」によって総量が未達成であっても、取組は有効であったという評価になる。
また「プロセスの結果」を評価するためには二酸化炭素排出量の総量だけを観ていても分かりません。努力度合いを評価する指標が必要となります。
例えば、事務所の購入電力については「対前年同月比の電力使用量」、車燃料については「車ごとの燃費」を把握することにより確認・評価することができます。

2010.03.13.09:28 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと