市民風車への環境投資

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repuさんは高校の先生ですが、環境保全に率先して行動されています。
メールを頂きウェシティ金沢で開催された「輪島門前コミュニティウインドファーム」の説明会に参加しました。
行ってみると、repuさんが司会をされていました。

当日は、ウインドウインドファームの説明の前に、「持続可能性と環境投資」と題して国連環境計画特別顧問の末吉竹二郎氏の基調講演がありました。

末吉竹二郎氏はテレビでも時々顔を見る。枝廣氏と同じ麻生総理の「温暖化懇談会」のメンバーで枝廣さんのメルマガでもよく出てくる。
海外勤務や国連環境計画の運営委員をしてたおられた関係で海外の情報に詳しい。
基調講演は温暖化の現実から話を始めて、EU・米国の最近の動向、グリーンエコノミー、日本の動向、新しくできつつあるお金の流れ、と話をされた。

ここでは、講演の中で出てきた温暖化及び、EU・米国の最近の動向について紹介します。
●北極から氷が消える
 北極の氷の溶け具合が予想以上に早い、遅くとも今後20年以内に溶けてなくなるだろう。同様にヒマラヤの氷河湖もなくなる。麓の農業に壊滅的な打撃を与える。

●海洋の酸性化が温暖化を加速させる
 CO2の排出は人為的排出が72億炭素トン、このうち地球の吸収力が31億炭素トンであるから、その差41億炭素トン(約50%)を2050年までに削減するというのが世界的な合意であるが、最近は早く実施しないと手遅れになるという報告が出ている。
地球の吸収力31億炭素トンのうち、22億炭素トンを海洋が吸収している。その海水が酸性化しているとうのである。酸化が進むと海の食物連鎖が崩壊し、CO2の吸収から反転して放出側に回る。
今年1月31日海洋科学者がモナコで宣言を発表した。宣言文では、「海洋の化学的性質の近年の急激な変化と、それが数十年以内のうちに海洋生物や食物網、生物多様性、漁業などに与える深刻な影響」への深い懸念を示し、「海の酸性化は加速しており、深刻な被害が差し迫っている。この流れを食い止め、かつ反転させるための唯一の対策は、大気中の二酸化炭素量を減らすことだ」と述べている。

●世界の動き
このようなことから、ヨーロッパでは<温暖化との戦いは、戦争だ>と言っている。
① 英国 2050年に1990年比80%減の法律を作った。
② 独国 再生可能エネルギーを大きな産業に
③ 仏国 もう、ハイウエーは要らない ⇒ 新幹線、自転車レーン
USCAP(米国の産業界と環境NGOで構成する気候行動パートナーシップ)が声明を出した
① 科学者の言うことに耳を傾けよう
② 規制が必要だ
③ イノベーション(技術革新)が起きる
④ 競争力が増す
といっている。
オバマは、この声に乗っかってグリーンエコノミーを推進し始めた。

●結び アメリカ先住民のことわざ
「私たちは、この地球を親から相続したのではありません。子ども達から借りているのです。」

ところで「市民風車」の話ですが、末吉氏の講演でも「日本は知識があるが危機感が足りない。」と嘆いておられる。
金沢市のNPO市民環境プロジェクトのメンバーがデンマークに行ったところ、風力やバイオマス発電所は、市民自らが自分達で協同組合を作り出資金を集めて建設している。
これが、このほど通った日本版グリーンニューディールの中の「緑の投資」の支援を受けて、市民の手による風車第1号となり実現する。

NPO法人市民環境プロジェクトは、北海道のNPO法人と協力して輪島市門前町に出力2000kwの風車を10基建設している。
うち、市民風力発電が手掛ける10基の総工費48億円について、最大28億5千万円を市民出資で賄い、残りは国の補助金などを充てる。
一口50万円で約4500人の出資を想定。期間は10年と18.5年があり、目標配当はそれぞれ年2%と3・6%。期間中の解約はできず、北電に電力を売った利益を配当と元本償還に充てるとのことです。

これが、うまくいくと、あちこちで市民風車ができるようになるかも知れませんね。

詳細は下記を見てください。
 ⇒ 輪島門前コミュニティウインドファーム

2009.05.31.15:36 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | e 地球温暖化最新情報

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