「取り組み状況の確認」と「全体の評価と見直し」の違い

先日行なったEA21の審査で「代表者による全体の評価と見直しの結果を見せてください」とお願いしたら、「代表者自身が行なった取り組み状況の確認」の結果を説明された。

今年の春に行なった別の事業所様の審査でも同じようなことがあった。

始めて取り組む事業所様では、ここ違いが紛らわしくて良くわからないようですね。

「取り組み状況の確認」の「確認」とは、ISO14001の「監視・測定」のことを指す。
即ち、環境活動計画で計画したことが計画通りでたかどうかを確認することで、できていない場合は原因を調べ、原因を取り除く処置(是正処置)を行なう。

これに対して、「代表者による全体の評価と見直し」とは、ISO14001で言う「マネジメントレビュー」のことを指している。この「レビュー」という言葉を「評価と見直し」と日本語で言い直したところに混乱の原因があるようです。
英語の「レビュー」に該当する適切な日本語がないので、ISO14001のJIS版では翻訳せずに「マネジメントレビュー」とカタカナで記載している。

「レビュー」とは、横路にそれていないかどうか(当事者以外の人を交えて)審査する、あるいは見直しするという意味です。

ですから、「代表者による全体の評価と見直し(マネジメントレビュー)」とは、環境マネジマントシステムが、横道にそれていないか、このまま進んでよいのか、を確認し問題があれば方向修正することをさす。

しかし、レビューをすると言っても当てずっぽうにやるのではなく、合理的にやりたい。
そこで、事前にデータを用意する、ISO14001のマネジメントレビューに準拠すると、ここでは
(1)EA21の審査の指摘事項及びその指摘項目の進み具合
(2)顧客や役所などからの要望や、地域からの苦情(もしあれば)
(3)環境負荷の改善レベル
(4)取り組み状況の確認(環境目標の達成状況や法規制遵守評価)の状況
(5)取り組み状況の確認結果どんな是正措置をとったか、その進み具合
(6)適用される法規制に変更がなかったか、事業内容に変更がなかったか、
   今後予想される事業環境に変化がないか
(7)社員からの提案

といったデータを用意し、これらのデータから総合的に見てこれまでのマネジメントへの取り組み姿勢が自社にとってふさわしいものであるか、パフォーマンスの目標レベルが自社につり合っているかを判断することです。
そして、その総合的な判断に基づいて環境方針、環境目標、環境活動計画、実施体制などの変更の必要性を判断し、必要な指示を管理責任者に指示することになります。

PS
 上記のレビューのために用意するデータは、ISO14001での要求事項に従った場合の例で、エコアクション21にはそのような記述がありませんので、必ずしもこのようにしなければならないというとではありません。

2006.10.09.00:25 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | a EA21で気づいたこと

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