環境への認識度の変遷

私が環境問題に関心を持ったのは今から約20年前、つくば科学万博の頃だったと思います。
毎日新聞社が万博記念懸賞論文を募集していたので、勉強がてらに書いてみようかと思って図書館に行ったとき、たまたま見つけたのがアメリカ合衆国特別調査報告書『西暦2000年の地球』でした。

これはカーター大統領が米国政府内部の諸機関のデータを総動員して20世紀末の「世界全体にわたる人口・資源・環境についての諸傾向を予測した報告書の日本語訳です。

かなり分厚い報告書で、わかりにくいところもあり何度も読み返しているうちにビックリ仰天。

その中には1975年の世界人口40億人が2030年には百億人をこえるであろうこと。
1940年代に始まった世界的な寒冷化の傾向が、20世紀の最後の四半世紀になって逆転する。大気中の二酸化炭素の増加による温室効果によって、著しい温暖化が進む。
この間、地球上の環境、とりわけ土地と水と大気のいずれにも大きな変化が起こり得る。
土壌環境ではほとんどの土地で地力の全般的な減退が進み、地域の生態系への負荷が重くのしかかると見込まれる。こうした変化は、当然に食糧問題とも連関する。
・・・・・等。
今日問題になっている環境問題の殆どが網羅されていました。

これほど重要な報告書なのに、当時日本中はバブルに浮かれ、そんなことを心配する風潮は全くない。
アメリカもカーター政権退陣後は、環境問題にふれることが殆どなくなった。

しかし、私はそのことが頭から離れず、その後英国ウエールズ通信制大学院環境マネジメント学科に入学し、その後環境を仕事の一環とすることになりました。
(通信制大学院の方は、仕事との両立等の関係から結局デュプロマまで行ったところで中退してしまいましたが)

その後、今から5年程前、環境コンサルタントをやり始めた頃は、ISO14001を取りくむに当って、なぜ環境問題が重要なのか、地球温暖化・資源枯渇・化学物質の毒性など環境問題の解説から始めなければならなかった。

ところが、最近は環境問題への認識が随分と変わりました。

先月から社員15名位のあるプラスチック製造会社様にISO9001/14001のシステム構築のお手伝いにお伺いしています。

その会社で入門教育の時に、試しに地球温暖化について「100年後に地球が今のままの温度を保つには炭酸ガス排出量をどれだけ削減しなければならないでしょうか?」と聞いてみました。
なんと「おおよそ70%です」という答えが即座にかえってきた。

専門家でも、中々正確に答えられないです質問です。それが小さな一般事業所の社員の方が正確に回答された。

もはや、環境問題について「知る」時代は過ぎました。ほとんどの人が環境問題の存在とその原因や取るべき対策を漠然とながらも知っています。

いま必要なのは、環境問題、特に資源・エネルギーの消費に対しての「具体的な改善手段を提示すること」と「行動すること」だと痛感しました。

そのようなことから、このブログでは
 省エネルギー・新技術
 資源循環(ゴミとリサイクル)
の具体例を紹介していますが、何しろ力不足です。
皆様の方でよい事例がありましたら、コメントやメール等でご連絡下さい。ご紹介させていただきます。

よろしくお願いします。

2006.12.10.00:09 | Permalink | Comments (0) | Track Backs (0) | c 省エネルギーあれこれ

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